太陽光パネルのリサイクル事業者や行政動向、最新情報を掲載

東京都:太陽光発電設備高度循環利用推進協議会、第11回開催

東京都では、今後大量廃棄が見込まれる使用済太陽光発電設備の3R及び適正処理を推進するため「東京都太陽光発電設備高度循環利用推進協議会」が設置しています。
2026年8月27日に第10回の協議会が開催されており、資料が公開されています。

今回のトピックでは、協議会で説明・議論された内容の概要を紹介します。

(前回までの協議会に関してはこちらから ⇒ 第1回、第2回、第3回、第4回、第5回、第6回、第7回、第8回、第9回、第10回)

第11回協議会の内容

第10回協議会では、東京都が実施する太陽光パネルリサイクル関連補助事業の状況報告、リサイクル施策のPR動画紹介、リサイクル事業者の事業紹介などが報告されました。

  • 太陽光パネル処理のアンケート調査報告
  • 「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律について」講演(環境省担当者による説明)
  • 情報提供
    • リサイクル施設の追加公募について
    • リサイクル補助について
    • リサイクル設備導入補助について
引用元:東京都

太陽光パネル処理のアンケート調査報告

東京都では、首都圏の太陽光パネルリサイクル事業者を認定する制度を実施しており、これらの事業者を対象に毎年処理実態のアンケート調査を行っています(前年度結果)。

2026年度も、首都圏の太陽光パネルのリサイクル施設8事業所を対象に太陽光パネル処理状況のアンケート調査が実施されており、7施設で処理量が増加したと報告されています。

(引用元:東京都)

アンケート対象各社の処理枚数合計では54,715枚(※)となっており、2023年度は約33,700枚から増加はしています。
しかしながら、施設稼働率は一部の施設を除いて数パーセントにとどまっており、また都内からの排出は全体2%程度となっており地域的な処理需要とのバランスに課題があると示唆されます。

(※処理量が重量で記載されているものは、太陽光パネル1枚あたり20kgで換算)

また都内の中間処理業者への受入れ実態、新たなリサイクル施設の設置ニーズに関するアンケートが129社(回答は120社)に対して行われています。
依頼があったものの処理を断っている事業者が前年度より増加しており、受入れ停止や依頼があった場合に断るとしている事業者を合わせると約58%が使用済太陽光パネルの受入れに否定的な回答となっています。

(引用元:東京都)


設置意向のある事業者は8.3%(10社)で都内への立地を希望しており、財政上の支援を希望する声も上げられています。

(引用元:東京都)

情報提供 ~ 都で実施する施策、補助制度など

東京都が実施するリサイクル補助制度について、普及に向けての動画が紹介されています。

※編集者注:制度の周知促進に向けたこれら動画は、SNSで配信されています。また以前の協議会では電車広告や駅などで公開するとされてですが、実際の状況は確認はできていません。

また、東京都が実施する各種施策の取り組み状況が説明されています。

使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業(引用元:東京都)

使用済住宅用太陽光パネルのリサイクル促進事業として、所有者・排出事業者にリサイクルに必要な費用の一部を交付するものですが、2025年度の申請交付実績は20件にとどまっており、都民や事業者への周知が必要だと示唆されます。

まとめ

2050年ゼロエミッション東京の実現に向けて、東京都では新築住宅への太陽光発電設置義務化や導入支援などの施策が進められており、太陽光パネルの適正なリサイクル体制の整備も着実に前進しています。

一方で、制度活用に向けた都民や事業者への周知促進には課題もあると考えられ、制度そのものの存在と意義を広く伝えることも重要となります。

加えて財政規模と政策推進力を有する東京都だからこそ実現可能な施策でもあり、地域間でリサイクル環境の格差が生じることも念頭に、国全体としてバランスがとれた制度設計が求められます。

参考資料