株式会社安部日鋼工業と金城学院大学の研究グループは、廃棄太陽光パネル由来のガラスを活用した建設資材の研究開発を進めています。
その成果をまとめた論文『環境配慮型コンクリートにおける新潮流-太陽光パネル由来の廃ガラスを活用した建設材料の研究開発-』が、『月刊コンクリートテクノ2026年2月号』に掲載されています(関連トピック①、関連トピック②)。
本研究では、太陽光パネル由来の廃ガラスを高付加価値のコンクリート材料として確立することを目標とし、特に以下の特性に着目しています。
一般にガラスをコンクリートの骨材として使用する際には、強度低下やASR(アルカリシリカ反応、膨張によりコンクリートに割れが生じる現象)が課題とされていますが、本研究では高炉スラグ微粉末を併用することでASRを抑制する配合が検討されています。
長期試験の結果、太陽光パネル由来のガラスを用いたコンクリートは十分な強度特性を確保できることが確認され、ガラス細骨材が天然骨材と同等のASR安全性を有することも示されています。
また、本研究では高炉スラグ微粉末を併用することでASRをさらに抑制する調(配)合も検討されています。

太陽光パネルの重量で約60〜70%を占める廃ガラスの再資源化が求められる一方で、再利用手法の確立は十分とは言えず、埋立処分の懸念が指摘されています。
同時に、建設分野ではカーボンニュートラルや天然資源保護の観点から、セメントや天然骨材の使用量削減が求められており、代替材料の開発やセメント産業を中心にCO₂排出量削減が重要なテーマとされています。
太陽光パネル由来の廃ガラスを高付加価値の建設材料として活用することで、大量廃棄への現実的な対応策となることに加え、地域循環型の資源利用や、建設業界の脱炭素化に寄与する可能性があり、今後の更なる技術的検証と社会実装の進展が期待されます。
≪関連トピック≫
・太陽光パネルのガラスリサイクルによる再生製品の事例
・国内ガラス製品のマテリアルバランス
・北陸電力他:論文『廃棄太陽光パネルガラスから製造した骨材のアルカリシリカ反応性の評価』