太陽光パネルリサイクルの情報を掲載しております。

太陽光パネルのリサイクルの流れ

(2021-01-31)

太陽光パネルのリサイクルの流れ

運転中の破損や性能低下などで使用済となった太陽光パネル(ソーラーパネル)は、廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に基づき産業廃棄物として処分することが義務付けられています。
これは太陽光パネルに限らず、事業者はその事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければなりません。

(事業者の責務)
第三条 事業者は、その事業活動にともつて伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。
2 事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製品、容器等が廃棄物となった場合における処理の困難性についてあらかじめ自ら評価し、適正な処理が困難にならないような製品、容器等の開発を行うこと、その製品、容器等に係る廃棄物の適正な処理の方法についての情報を提供すること等により、その製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。
3 事業者は、前二項に定めるもののほか、廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

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本法規では事業者に一義的な責任が規定されているものの、一般の事業者で廃棄物を適切に処理することは技術的・経済的にも困難であるため、実際には産業廃棄物を専門に取り扱う事業者(中間処理業者・最終処分業者)に委託することになります。

太陽光パネルのリサイクルの流れ
図1:使用済太陽光パネルの処分の流れ

また排出事業者は廃棄物の再生利用や減量化などにも取組む必要があり、これは法律の主旨からだけでなく環境や地域との共生など、事業者としてのCSRや社会的意義といった視点が求められます。
従って排出事業者は委託先の処理コストだけでなく、リサイクルや環境・地域への影響なども十分に考慮する必要があります。

太陽光パネルの構造

現在国内外で最も普及している太陽光パネルの種類は、『結晶系シリコン』と呼ばれるものになります。

太陽光パネルの種類のシェア推移
図2:太陽光パネルの種類のシェア推移(出所:Fraunhofer ISE

結晶系シリコン型の太陽光パネル(ソーラーパネル、または太陽電池モジュールとも呼ばれる)は、太陽光を受けて発電するシリコン製の『太陽電池セル(発電セル)』を『ガラス(カバーガラス)』と樹脂製の『バックシート』で挟み合わせた構造となっています。発電セルとカバーガラス・バックシートは、EVA樹脂製の『封止材』で封着されています。
貼り合わされた太陽光パネルは架台への固定や運搬ができるように、周囲を『フレーム(アルミニウム製が主流)』で補強された構造となっています。
バックシートに取り付けられた『ジャンクションボックス(端子台)』と『導線(ケーブル)』を通じて外部と電気的に接続され、発電した電気が取り出されます。
また発電セル同士は『電極(コネクタ)』で接続されており、セル表面で電気を集めるフィンガー電極に『銀(銀ペースト)』が使用されています。

太陽光パネルの構造とリサイクル後の利用例
図3:太陽光パネルの構造とリサイクル後の利用例(出典:NEDO資料から作成)
太陽光パネルの断面構造
図4:太陽光パネルの断面構造(出所:内閣府経済社会総合研究所

太陽光パネルのリサイクルで技術的な課題になるのは、特に封止材であるEVA樹脂を剥離する工程となります。これは20年以上屋外での使用に耐えうる仕様になっており、通常の廃棄物の破砕や選別では処理が難しく、特別な技術が必要となる所以です。

太陽光発電所全体で考えた場合

ここで太陽光発電所全体のうち、太陽光パネルがどの程度の割合なのかを確認してみます。
環境省よれば、太陽光パネルが発電所全体の6割近くを占めるという試算もあります。太陽光パネルの種類や架台などの含めた装置構成の違いもあり、一概にこの数値が正しいとは考えられないものの、太陽光パネル、特にその大半を占めるガラスのリサイクルを適正に処理されることの重要性が分かります。
一方で全体の4割弱を占める架台は概ね金属製(スチール製、一部でステンレス製やアルミニウム製もある)であり、既存のリサイクルシステムの範疇で適正な処理が可能だと考えられます。

太陽光発電所全体での機器構成比の一例
図5:太陽光発電所全体での機器構成比の一例(出所:環境省

まとめ

太陽光パネルの廃棄処分は法規制やコンプライアンスの視点から、発電事業などを行う排出事業者が一義的に責任を負うことになります。特に発電所全体の中でも太陽光パネルが占める物量は多大なものであり、その中でも太陽光パネルを構成するガラスの適正な処理が課題となります。
近い将来に大量廃棄が社会問題化することを見据え、既に産廃業者の中にも太陽光パネル専用のリサイクル装置を導入する事業者も増えています。
処理を委託する立場である排出事業者には、これら処理に取組む事業者がどのように太陽光パネルのリサイクルを実施しているか、コスト・環境負荷・資源循環など多面的な視点での判断が求められます。

参考資料

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