福島県を中心に太陽光パネルのリサイクルを行う関連企業で構成される「ふくしまエネルギー・環境・リサイクル関連産業研究会 ふくしまPVパネルリサイクルワーキングループ(WG代表:株式会社高良)」は、県内で廃棄される使用済太陽光パネルの適切なリユース・リサイクル体制の構築を目指しています(関連トピック)。
令和7年度のワーキンググループの活動報告が公開されていますので、今回のトピックでは概要を紹介していきます。
「ふくしまPVパネルリサイクルワーキングループ(以下WG)」は、福島県内で発⽣する使用済太陽光パネルの適切なリユース・リサイクル体制を構築し、リサイクル事業の経済性と環境配慮を両⽴する社会システムづくりを⽬指すとされています。
同WGは太陽光パネルのリサイクルに取組む県内外の企業で構成されており、以下の分野の検討が行われています。
各分野について、令和7年度に以下の検討が行われています。

令和7年度は、県内廃棄太陽光パネルの廃棄量概算および中間集積所のあり方について検討、中間処理・再資源化に関するコストと課題の整理、太陽光パネルのリユース促進策や事業譲渡条件を取りまとめられています。
これらの検討結果を踏まえ、県内における循環体制構築に向けた実行計画の方向性が示されています。
太陽光パネルの収集と運搬
FIT認定情報を基に県内の太陽光パネルの廃棄量をが概算されており、FIT終了年における太陽光パネルの枚数は2040年に約200万枚(約4万トン相当)と推定されています。

福島県下では会津地⽅での太陽光発電所数が少なく、太陽光パネル専用のリサイクル施設までの距離があるため、安価なシュレッダー業者に流れる懸念が想定されます。
WGでは具体的な中間集積所を想定したケーススタディにより、中間集積所に求められる仕様や運搬効率向上に有効性が確認されており、事業性や運搬⽅法などの詳細検討が必要とされています。
太陽光パネルの中間処理
シュレッダー破砕による処理費⽤が調査されており、その平均額は約1,500円とされています。
県内の太陽光パネルのリサイクル費⽤は1枚あたり約3,000円〜4,000円となっており、1枚当たりの処理費⽤の差は約2,000円と報告されています。

太陽光パネルの再資源化
太陽光パネルの再資源化における利点として資源循環や環境負荷削減への寄与が期待されるものの、各方面で指摘されている品質や経済性、マーケット・物流などの課題があると整理されています。
特に廃ガラスの再利⽤を進めるためのファクター(要因)が整理されており、品質・コスト、⽤途確保などのバランスや回収体制、市場連携がポイントだと指摘されています。

太陽光パネルのリユース/太陽光発電所の事業譲渡
太陽光パネルのリユースにおける経済的メリットが整理されており、利用拡大に向けてはネットワークの構築と公共施設など自治体による積極利用やインセンティブが必要とされています。
また、FIT終了後を見据えた太陽光発電設備の事業譲渡について譲受側が求める条件が整理されており、特に50kW未満の⼩規模設備に対する対策の必要性が指摘されています。
全体仕組みの構築
各検討分野での検討結果から、全体仕組みの構築に関する方向性や実現に向けた課題がまとめられています。
現在は太陽光パネルの処理枚数が限られることから採算確保が難しいものの、処理量増加に伴いリサイクル資源の⾼品位化や物流体制の整備、主体間連携が進むことで、コストの最適化が期待できると報告されています。

これらの検討結果を踏まえ、新たに検討を必要とする主要項⽬として、以下3点が提案されています。
現在主流のシリコン系太陽光パネルはリサイクルにおいてガラスの再資源化が極めて重要であることから、ガラスの再資源化について更なる検討が必要とされています。
同WGでは、各種ガラス製品へのリサイクルに向けて、①廃ガラスの⾼品位化、②ガラスカレットのコスト、③物流体制の整備(量の確保)に取組むとされています。
太陽光発電の導入が進む福島県では、FIT後を見据えた適正な廃棄・リサイクルの仕組み構築に向けて、産官合わせた取組みが進められています。
複数の自治体が地域の特色に合わせた独自の取組みが進められており、国の進める施策と合わせてこれらの成果や知見が共有されることが期待されます。