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海外ニュース:UNSW シリコン系太陽光パネルのリサイクルおける経済性評価

オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ大学(UNSW)の研究グループが、シリコン系太陽光パネルのリサイクル技術の違いによる経済性評価を検討した論文「A techno-economic review of silicon photovoltaic module recycling」が公開されています。

本論文では、使用済みシリコン系太陽光パネルのリサイクル技術を3つの大まかなリサイクル手法に一般化し、それおぞれのリサイクル方法について経済的な実現性に影響を与える要因と不確実性が分析されています。
『埋立て、ガラスリサイクル、メカニカルリサイクル、サーマルリサイクル』という4つのリサイクル方法について、経済的実現性を比較と、比較結果から考察されたリサイクルを促進するために必要なアクションが提起されています。

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引用元:Sience Direct

埋立やガラスのみのリサイクルに比べて、適切にリサイクルし資源回収を行うことで収入は増えるものの追加処理コストが材料自体の収益を上回るという、経済的な障壁に直面する結果となっています。この課題を解決するためには、新しい技術を開発し処理コストを削減する必要があると指摘されています。
・低コストな材料分離技術の開発
・モジュールに含まれる有害な部品の使用の排除、または削減
・「リサイクルしやすい」モジュール設計の奨励

From this first analysis, we found all the five selected modules in the market face the same economic barrier that the additional processing cost to recycle internal materials exceeds the revenue of the material itself. Their highly mixed nature and low recycled values inhibit recycling. In order to overcome the barrier, new technologies must be developed to reduce the processing cost by:
(1) developing cheaper material separation technologies;
(2) eliminating or reducing the use of hazardous components in the module;
(3) encouraging “easy-to-recycle” concepts in module design to facilitate end-of-life recycling.

引用元:Sience Direct

資源回収後の売却収入には、資源価格や処理プロセスの最適化・大型化などの低処理コスト化、地元にシリコン産業や太陽電池産業の有無などの不確定な要素が多いことも指摘されています。

以前のニュースでも取り上げましたが、本論文でも太陽電池モジュールの使用済み製品のリサイクルを開始に政府による規制が不可欠と指摘しています。またリサイクル事業者による技術改善と低処理コスト化、メーカーによるリサイクル性を考慮した設計の重要性も指摘されています。

太陽光パネルの製造が中国メーカーなどの特定の国が寡占が進む現状では、地域による資源循環の実現は難しいことも予想されます。これらの状況から、各国政府機関などが主導して製造から廃棄までの国際的なルール作りが必要とも考えられます。

参考資料