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NEDO「太陽光発電開発戦略2020」を公表:循環型社会の構築、大量廃棄時代に備えて

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は12月28日、「太陽光発電開発戦略2020(NEDO PV Challenges 2020)」の策定を公表しました。
この戦略は太陽光発電の大量導入社会を円滑に実現するための課題を整理し、それらを解決する技術的な方策について検討を進めるものであり、2014年の「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」以来となります。
再生可能エネルギーの主力電源化が議論される中、太陽光発電を取り巻く状況と将来像、実現に向けた課題と技術戦略に関して策定されています。

本戦略の策定にあたっては、以下の点に留意した。
(1)現状の課題解決と2050年の社会を見据えた新たな課題設定を行う。
(2)太陽光発電の価値を再評価し、「発電コストの低減」に加えて、太陽光発電の大量導入社会で必要な課題を包括的に検討する。
(3)我が国の太陽光発電産業の強みを踏まえた新産業・市場創出の視点を盛り込む。

https://www.nedo.go.jp/content/100926249.pdf

今後の太陽光発電の発展に必要な5つの課題を明示し、それぞれの対処方法が示されています。

これらを踏まえ、今後の太陽光発電の発展に必要な5つの課題を提示するとともに、それぞれの課題に対する技術開発の方向性を示した。
【課題1】高付加価値化事業の創出
【課題2】立地制約と系統制約の顕在化
【課題3】安全性の向上
【課題4】循環型社会の構築(信頼性、リサイクル)
【課題5】発電コストの低減

https://www.nedo.go.jp/content/100926249.pdf

太陽光パネルのリサイクルは5つの課題の一つに選ばれており、リサイクルシステムの構築の必要性が説明されており、『回収制度の確立、低コスト処理技術の確立、汎用処理設備の開発、リサイクルされたガラスの用途開拓の重要性が指摘されています。

「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges、2014)」では、パネルのリサイクルの技術開発が進められましたが、未だ全国的に実際の処理施設の普及には至っていません。2022年には事業者による廃棄費用積立制度が義務化の方向で検討が進んでおり、近年頻発する自然災害による発電所被災の事例も増えており、技術開発を待たずリサイクルシステムの構築が求められます。