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環境省:令和7年度環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書を公表

環境省では、環境産業の市場規模・雇用規模等の推計結果をまとめた「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」を毎年公表しており、令和7年度版(2024年調査結果)が公表されています令和6年度報告書
本報告書では、持続可能な経済成長・社会の発展に向けて、環境と経済との相互関係に着目した情報を整備・発信することを目的として作成されています。

本調査報告書では、国内の環境産業の市場規模や雇用規模などについて、2024年推計、2000年までの遡及推計、及び2024年から2050年までの将来市場規模の推計方法の検討が実施されています。
また、昨年度からグリーン経済の将来推計の中で、太陽光パネルリサイクルの市場規模がまとめられています。

本トピックでは、環境産業全体の市場規模の概観と太陽光パネルリサイクル市場の市場規模推計について紹介します。

2024年の国内環境産業の市場規模

2024年の国内環境産業に関連する各指標は、以下の様に推計されています。
国内環境産業の市場規模や雇用、経済の影響は前年に比べ増加する一方で、自動車関連産業の影響により輸出入額が微減となっています。

  • 市場規模推計:136兆2,251億円(前年比3.0%増加)
  • 雇用規模推計:約296万人(前年比7.0%増加)
  • 輸出額推定:約23.2兆円(前年比1.2%減少) / 輸入額推定:約5.6兆円(前年比0.1%減少)
  • 付加価値額推定:約55.3兆円(前年比約5.4%増加
  • 経済波及効果:約261.9兆円(前年比約4.4%増加)
環境産業の市場規模推移(引用元:環境省

廃棄物処理・資源有効利用分野の市場規模は、2024年に65.6兆円(1.7%増)と推計されており、環境産業の約半分を占めています。
特に都市ごみ処理装置や事業系廃棄物処理装置など、設備更新に伴う官公需要の増加が要因とされています。

廃棄物処理・資源有効利用分野の市場規模推移(引用元:環境省

環境産業の国内雇用規模は約296万人となり、2000年から増加傾向が続いており、特に地球温暖化対策分野の伸びが著しくなっています。
就業者数に占める割合も4.4%と、全就業者数に占める比率は年々増加傾向にあります。

環境産業の国内雇用規模(引用元:環境省

環境産業の市場規模拡大に伴い付加価値額も増大しており、2024年は約55.3兆円(前年比約5.4%増)となっています。
特に近年は、地球温暖化対策分野の増加が著しく、廃棄物処理・資源有効利用分野でも28.6兆円(前年比2.2%増)と増加を続けています。

環境産業の付加価値額推移(引用元:環境省

国内の環境関連の市場規模は2050年にかけて増加傾向を続け、2050年の市場規模は157.1兆円、2024~2050年の年平均成⾧率は0.5%と推計されています。
なお、既存産業のみを対象としているため、今後新たな産業の創出等により環境産業市場が本推計を上回る成長を遂げる可能性があるとしています。

国内環境関連の市場規模予測(引用元:環境省

2050年の構成比率は廃棄物処理・資源有効利用が51.6%と最も多く、将来にわたって成長が持続すると予測されています。

太陽光パネルリサイクルの市場規模の推計

前年度の報告書から太陽光パネルリサイクルの市場規模の推計が実施されており、制度検討状況や最新の排出量予測を基に、前年度の推計から更新されています。

太陽光パネルリサイクルの市場規模はリサイクル費用とパネルに含まれる有価資源の売価により算出され、2042年のピーク時に2,554億円、2050年に1,321億円と推計され、今後の増加が見込まれています。
(前年度の推計ではピークの2042年に800億円強、2050年に491億円と推計されています)

太陽光パネルリサイクル市場規模推計(引用元:環境省

排出量の実績や将来予測、リサイクルに係る単価などにより、市場規模は増減すると考えられます。
また、全国で導入が進むリサイクル設備に関する設備導入への投資は本推計には含まれていない様であり、加えて現在は排出量が少ないことから本推計の確度については検証が必要とも考えられます。

なお、当WEBサイトが行った推計(※)においても年間1千億円規模、ピーク時に2,500億円前後と試算しており、時期の前後は今後の動向によるものの市場規模のおおよその水準は把握できます。

廃棄等費用の積立制度から考える市場規模と課題:廃棄等積立費用と現状水準のリサイクル費用から将来の市場規模を推計

まとめ

持続可能な社会を実現のため政府では環境産業を振興しており、国内の環境産業の市場規模や雇用規模は増加しており、将来にわたって経済成⾧を牽引する有望な分野とされています。

太陽光パネルのリサイクル市場に関しても、リサイクル推進が制度化されたこともあり、将来的な市場の拡大が期待される推計結果が報告されています。一方で、太陽光パネルの排出時期や将来のリサイクル費用など、将来の市場拡大には不確実性も伴います。

リサイクル事業の将来性だけでなく、市場の規模・成長なども考慮した上での事業運営や参入検討などが事業者に求められます。

参考資料